9/19/2016

VFX会社のアニメーション

今回はVFX会社でのアニメーションについて簡潔に紹介したいと思います。僕自身は日本でのVFX経験がないので、日本と比較できませんが日本で働いていて海外のVFXアニメーションに興味がある人には役立てるのではないかと思います。

まず、アニメーションの種類ですが、ざっくり分けて二種類あります。

  • キーフレームアニメーション
  • モーションキャプチャーベース
ショットによって、どちらの手法を使用するか指示がある場合があります。もしそういう類の指示がなければ、各自が決定することができます。モーションキャプチャーを使用する場合はライブラリーのどのファイルを使用すればいいのか、もしショット用に新しいキャプターデータがあるならどれを使うのかという事が、リードやスープから連絡がきます。

キーフレームの場合は自分で演技を考えて作成していきます。キャプターのファイルを使うにしても、細かい修正などが求められるので、データをショットに流し込んで終了という事にはなりません。

指示がない場合、キーフレームかキャプチャーデータどちらを使うかという問題ですが、これは完全に個人の判断に任されています。なので、決められた時間内に終わるように自分でどちらを使用するのが決定していかなければなりません。この辺りの時間との駆け引きの感覚も大切になってきます。

次にショットの種類ですが、
  • 実写素材に合わせるアニメーション
  • フルCGのショットのアニメーション
の二つに大きく分ける事ができます。

実写素材に合わせる場合はカメラワーク、レンズ口径などがすでに決定されているのでその決定されたフレーミング内でのアニメーションになります。これが意外と難しく、とくに実写のオブジェクトや人間に触れたりするすると難易度が上がります。

次にフルCGのショットですが、もちろんレイアウトからショットが降りてくるので、カメラなどの詳細がけっていしているのですが、これがアニメーションで変更される事が多々あります。実写素材と違って撮影しなおす必要がないので変更しやすいのです。どちらかというとフルCGのショットの方が大きい変更が起きやすくなります。

余談ですが、ショットには

  • 撮影されたスピードで使用される素材
  • 撮影されたスピードを遅めたり、速めたりされた素材
があります。当然素材が速められたり、遅くなっていれば、アニメーションをつける時点で対応しなければなりません。もし同じフレーム内に、速さの比較ができる実写の対象があれば、結構手間がかかるショットになります。各自で遅いアニメーションや速いアニメーションをつけなければいけないからです。これは等速でつけてキーを縮小拡大すればできると思いがちですが、実際はいろいろな補完が必要で、簡単にはいかないのです。

使用するリグですが、とにかくコントローラーが多いです。こんなものなくてもいいんじゃない?っていう場所にも付いていたりします。そしてそういうコンローラーは特殊なショットがあった場合を想定してつけていたりするので、ほとんどの人が使用しないままプロジェクトが終わってしまいます。
しかしながら、その特殊なショットに自分が当たってしまうと、誰も使った事のないコントローラーと格闘しなければいけないので、これも難易度が上がります。

VFXのアニメーションはリアリティが求められます。真のリアルというわけではなく見ている人が「これはリアルな動きだ」と信じられる動きです。

アニメーションといえばディズニーのようなアニメーションをみんな目指しますが(実際僕も大好きです)、VFXのアニメーションも面白いものだという事が伝われば幸いです。